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- 【リートについて】リートのしくみ
Ⅰ.会社型・クローズドエンド型上場不動産投信
J-REITの正式名称は日本型不動産投資信託ですが、一般的な契約型投資信託とは違い会社型(投資法人型)投資信託です。したがって実際には投資信託として理解するよりも配当可能利益の90%以上を配当することを条件に法人税実質免除という特典を与えられた不動産賃貸専業会社の出資証券(株式)と理解した方が分かりやすいと思います。また投資法人自体は不動産を取得するだけの形式的な主体に過ぎず、実際の運用業務などはすべて資産運用会社が行います。J-REITはクローズドエンド型投資信託ですので投資家の請求に基づいて解約・払い戻しに応じることはありません。したがって投資家の資金回収の手段として上場されています。
Ⅱ.一般企業の株式との違い
J-REITは形式的主体としての投資法人が不動産を取得し、その賃料収入から諸費用を差し引いた配当可能利益のほとんどを分配金として払い出すため、一般企業にように決算対策や配当政策が行われる余地が乏しく、経営者による恣意的な決算が行われることはありません。またその収入・支出構造がきわめてシンプルであり情報開示も十分に行われるため、投資家が各リートの実態を把握することが比較的容易なことが特徴となります。ただし運用資産(不動産)の取得にあたっては一般企業と同様に、銀行借り入れ、投資法人債(社債)の発行、増資(PO)などにより資金調達を行いますので、各リートの資金調達戦略には注意する必要があります。また基本的にはJ-REITは内部留保を行わないため投資口価格(株価)の上昇期待よりも分配金利回りが重視されます。したがって株式に比べて値動きは少なく配当重視型のミドルリスク・ミドリルターンの金融商品と言えます。
Ⅲ.少額での分散投資が可能
J-REITは不特定多数の一般投資家から資金を集めて不動産を購入し、賃料収入から諸費用を差引いた配当可能利益のほとんどを分配金として投資家に払い出す投資商品です。投資口価格が低いものだと1口10万円程度での投資が可能ですが、その投資対象は各地に分散した多数の収益不動産となります。単独での不動産投資は多額の資金の必要性から、よほどの大口投資でない限り分散投資は困難ですが、J-REITに投資することにより、エリア、セクターなどを多様に分散することが可能になり、投資効率を高めることが出来ます。
Ⅳ.J-REITの投資リスク
J-REITは分配金や元本が保証されている金融商品ではありませんのでJ-REIT投資に際しては主なものとして以下のリスクファクターを勘案する必要があります。
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① 不動産投資類似リスク
- ・賃料変動リスク
- ・賃貸経費の増加リスク
- ・テナント退去リスク
- ・建物の瑕疵、欠陥などのリスク
- ・自然災害等のリスク
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② 株式投資類似リスク
- ・投資口価格の変動リスク
- ・分配金の変動リスク
- ・借入金利の変動リスク
- ・投資口の希薄化
(ダイリューション)リスク
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③ 投資法人特有のリスク
- ・J-REIT関連諸制度の変更リスク
- ・資産運用会社の能力に関するリスク
- ・スポンサー企業と投資家との間に生じる利益
上記に記載したものはJ-REIT投資に関わる主なリスクで、これら以外にも様々なリスクが介在しますが、金融商品としてのリスク・リターンの位置づけとしては前述したとおりミドルリスク・ミドルリターンの金融商品です。債券よりはリスク・リターンが高く、株式よりもリスク・リターンが低い投資と考えてください。
